「モラルハザードってどういう意味?」
「モラルハザードの例を日常生活に置き換えて教えて!」
モラルハザードと聞いても、どういう意味なのかイメージしづらいですよね。
本記事では、モラルハザードの例を日常生活に置き換えて紹介していきます。
モラルハザードって、なんだか専門用語みたいですよね。
意味がぜんぜんイメージできないかも。
そうだね。
ただ、モラルハザードはそんなに難しい意味じゃないんだ。
モラルハザードの意味がイメージしやすいように、日常生活に潜むモラルハザードを例に紹介していくね。
モラルハザードの例を日常生活に置き換えて意味を解説
モラルハザードとは、危険を回避する準備をしたことで安心してしまい、予想していなかった問題や危機に直面することを意味する言葉です。
ただ、こう説明しても、いまいちモラルハザードの意味がピンとこない方も多いはず。
そこで、モラルハザードの意味が分かりやすいように、モラルハザードの例を日常生活に起こりがちな問題に置き換えて紹介していきますね。
ケース1・手厚い自動車保険に加入している人のモラルハザード
免許証を手にした方は、「これで車が運転できる!」というワクワク感がある反面、「交通事故を起こしたらどうしよう」という不安な気持ちも持っているはず。
そんな交通事故の不安をかき消してくれるのが自動車保険です。
自動車保険に加入していれば、自分が交通事故を起こしても壊れたものを無料で修理してもらうことができます。
もっと手厚い保険に加入すると保証範囲を広げることも可能なので、自動車保険の加入者は安心して車の運転ができるようになります。
ですが、手厚い自動車保険に加入している人はモラルハザードに陥りやすいと言われています。
何故なら、「万が一、事故を起こしても保険があるから大丈夫!」という安心感が出てしまうため、ついつい運転中でも気が緩みがちになるからです。
その結果、車のスピードを出し過ぎてしまい、交通事故を起こしてしまうんです。
最低限しか保証してくれない自動車保険に加入している人は、「事故を起こしたら、他人の車は直してくれるけど、自分の車は自腹で修理しないといけない」という気持ちを持っているため、安全運転を心がけるようになります。
ですが、手厚い自動車保険に加入している人は、忙しい日常生活を過ごすようになると、ついつい運転の怖さを忘れがちです。
これこそ、日常に潜むモラルハザードの典型的な例といえるでしょう。
ケース2・防犯グッズを持った子供のモラルハザード
近頃は日本でも物騒な事件が多くなりました。
とくに、親御さんは子供の誘拐事件が気になって仕方がないはず。
そのため、自分の子供に防犯グッズを持たせる親御さんは少なくありません。
「何か危ないことがあったら、すぐにこれを使うのよ」と親に教えられた子供は、防犯グッズを持っていれば安全だと認識するようになります。
ですが、防犯グッズを持った子供はモラルハザードを起こしやすくなります。
何故なら、防犯グッズを持っていれば、どこに行っても大丈夫だと勘違いしてしまうからです。
そのため、1人で暗い路地を通るようになったり、知らない大人についていったりするようになるんです。
本来、防犯グッズは防犯を強化するものです。
ですので、普段の防犯対策とかねることで、はじめて防犯を強化することができます。
しかし、子供のようにまだモラルの区別がつかない年齢の場合、予期せぬモラルハザードを起こすことがあるので注意しなければなりません。
ケース3・経済学におけるモラルハザード(商品のサービス)
モラルハザードは、経済学においてもたびたび取り上げられている問題でもあります。
たとえば、購入した商品が1年未満で故障した場合、新しい商品と交換してくれる店舗があったとします。
すると、その店舗の対応を見ていた他の客が364日目に故意に商品を故障させ、新しい商品との交換を求めることがあります。
こういった行動も立派なモラルハザードだといえるでしょう。
商品を買ってもらうためには、ユーザーにとってお得なサービスを充実させる必要があります。
ですが、そのサービスを逆手に取り、もっと得をしようと考えてしまうユーザーも出てくるんです。
モラルハザードは何が引き金で起こるかが分からないので、そこが怖いところだといえますね。
ケース4・金融におけるモラルハザード(国の援助)
ニュースで、こんな話を聞いたことはないでしょうか?
「大手銀行〇〇が経営不振となっています。これによる経営全体の影響を考慮し、国が公的資金を利用して救済措置を行いました」
実は、これもモラルハザードを引き起こしかねない問題だと言われています。
何故なら、大手銀行は「何かあったら国が助けてくれる」と思ってしまうため、ついついハイリスクハイリターンの取引を積極的に行うようになってしまうからです。
親から甘やかされて育った子供は、何かあったら親が助けてくれると思ってしまいます。
これは金融における救済措置にも同じことがいえるため、ほどほどにしないとモラルハザードを引き起こす原因になってしまうんです。
まとめ
もともと、モラルハザードは保険業界で使われていた用語でした。
ですが、現在は経済や金融など、日常生活のあらゆる場面でも使われるようになっています。
モラルハザードは倫理の欠落からくるものです。
ぜひ、人として正しい行動を心がけるようにし、普段からモラルハザードを起こさないように注意しましょう。
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