「語るに及ばずってどういう意味?」
「語るに及ばずの使い方を教えて!」
日本語特有の言いまわしは、使い慣れているはずの日本人でも戸惑うものです。
今回は、語るに及ばずという言葉の意味や使い方を分かりやすく解説していきます。
語るに及ばずの意味を知りたいときは、『語る』と『及ばず』の言葉を理解する必要があります。
語るに及ばずの意味
語るに及ばずの意味を難しくしているのは、間違いなく『及ばず』という部分ですよね。
及ばずとは、動詞である『及ぶ』の未然形に、打消の助動詞となる『ず』を合わせた古文の言葉となります。
分かりやすくいってしまえば、及ばずは必要がないことを意味する言葉です。
ですので、語るに及ばずとは話す必要がないという意味になります。
なお、語るに及ばずの類語としては以下のような言葉が使われることが多いです。
- 当たり前の話
- 当然ながら
- 今更
語るに足らずという表現は古風すぎますので、現代文として使うときは当たり前の話のような類語を使うといいでしょう。
さて、勘のいい方はすでに気づいているかもしませんが、実は語るに及ばずとほぼ同じ意味を持つ言い換えの言葉が存在します。
それは、言うに及ばずです。
語るに及ばずと言うに及ばずは、どう使い分ければいいのでしょうか?
語るに及ばずの言い換え『言うに及ばず』との使い分け
語るに及ばずを言い換えるなら、言うに及ばずが適切な言葉といえますね。
何故なら、言うに及ばずと語るに及ばずの違いは『言う』か『語るか』だけだからです。
つまり、話すという点では、どちらも同じ表現だといえてしまいます。
では、語るに及ばずと言うに及ばずは使い分けができないのでしょうか?
もし、どうしても使い分けがしたいときは、話す長さがポイントになると思います。
語るという表現を使う話といえば、何を説明したり、思い出を語ったりするときですよね。
つまり、語るに及ばずは長い話をする必要もないと解釈できると思います。
一方、言うに及ばずという表現は、一言の忠告やアドバイスのときに使いやすい言葉だと思います。
つまり、言うに及ばずは短い話をする必要もないと解釈できる言葉なんです。
ですので、及ばない話の長さによって、語るに及ばずを使うべきなのか、言うに及ばずを使うべきなのかを見定めるといいでしょう。
以上、語るに及ばずの言い換えについて解説しました。
最後に、語るに及ばずの使い方を紹介します。
語るに及ばずの使い方を例文も交えて分かりやすく解説
それでは、語るに及ばずの意味をより分かりやすく知ってもらうために、語るに及ばずの使い方を例文で紹介していきます。
彼女が何に怒っているかは、語るに及ばず。
この例文は、彼女を怒らせた彼氏が、その原因は語らなくても分かっていると表現した文章となります。
そんなことを考えている暇があったら、さっさと謝ったほうがいいと思わせる例文でもありますね。
20年間も生き別れていた2人が空港で再開することができた。
語るに及ばず、2人は泣きながら抱き合った。
語るに及ばずとは、語る必要がないという意味です。
ようやく再開できた2人にとっては、言葉よりも人肌の温かさのほうが大切だったと分かる例文となります。
この区画では原爆事故が起こっている。
その危険度は語るに及ばずだろう。
日本人にとって、原爆の恐ろしさはわざわざ語る必要もありませんよね。
そういうときにも、語るに及ばずという言葉を使うことができます。
まとめ
語るに及ばずは古風な日本語ですので、なかなか使いこなすのが難しい言葉だと思います。
だからこそ、語る必要がないことをより強調できる言葉でもありますので、機会があれば使ってみてはいかがでしょうか。
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